グーグル検索を多用する大学生 ーグーグル効果ー

こんな大学生多くないですか?

 大学生Aくん:「さて、今日の講義課題を始めるか。どうやら、語句を調べる課題だな。」スマホを取り出して、語句を検索して、課題を進めるAくん。次の講義で、先週の課題を確認する小テストが行われた。Aくんは、「課題はしっかりやったからまあ大丈夫でしょ。」と余裕な様子。しかし、Aくんの小テストの結果は良くなかった模様です。

 

 大学生が課題をするときにいつも机の上にあるのがスマートフォン。これを使って、調べ物をしたりと課題に活用しています。

 しかし、このようにスマートフォンを使うことで、覚えることができずに、忘れてしまっていた、もしくは、あんまり勉強になっていないなという経験ありませんか?それはこの現象が問題になってるかも...

デジタル性健忘(もしくは、グーグル効果)

 検索エンジンなどの利用により、情報をスマートフォンなどのデジタルデバイスから容易に確認出来たり、保存できたりすることで、頭に記憶することなく忘れてしまう傾向があること。

 

デジタル性健忘は、Kaspersky Lab(カスペルスキー)が2015年から研究を始めたものです。

 

デジタル性健忘のチェックリストがあります。気になった人はやってみては?

blog.kaspersky.co.jp

デジタル性健忘の例として・・・

・以前、スマホに登録しておいた人の、電話番号を思い出すことができない。

Google検索で調べた単語が出てこない。

スマホにメモしておいた買い物リストの項目が思い出せない。

 

あれっ、自分もデジタル性健忘があるかもしれないと思った人も多いと思います。

では、デジタル性健忘の対策を、一緒に考えてみましょう。

 

デジタル性健忘の対策として・・・

①アウトプットする。

記憶の固定化には、インプットしたものをアウトプットすることが大切になるといわれています。人に話す、文章に起こす、一人で思い返してみるなど、頭の引き出しを出してやる作業が効果的です。

②メモを手書きにする。

タイピングのメモ、手書きのメモどちらも変わらないのではないかと考える人も多いと考えます。この2つの違いはなんでしょうか。それは、手書きの方が圧倒的に時間がかかってしまうということです。つまり、手書きのメモは頭の中で優先順位をつけなければならないという作業が発生します。そのため、手書きのメモが有効であると考えられます。

 

しかし、スマートフォンで調べることの利点は、情報まですぐに行きつくことができるために、多くの情報を手に入れることができることなどたくさんの利点があります。スマートフォンという文明の利器を使いこなすためにも、良い面ばかりではなく、自分が能動的に使えるような工夫が必要になってきます。

 

【参考文献】

Pragya Lodha (2019). Digital Amnesia: are we headed towards another amnesia Indian Journal of Mental Health

Sparrow, B., Liu, J., & Wegner, D.M (2011). Googleが記憶に及ぼす影響:情報を手元に置くことによる認知への影響。 Science, 333, 776-778

Wegner, D.M & Ward, AF(2013). Googleはあなたの脳をどのように変えているか https://www.jstor.org/stable/26018230(2022/08/01 アクセス)